2016年10月1日土曜日

第17話 Hの変化から (花まる:前原)

 「官民一体型学校」の一つである、とある学校の校長先生が、「最近、3年生のHが落ち着いてきたんだよね。」と話されていました。
 12年生のころは、相当なやんちゃな子だったH。元気が有り余って、少し落ち着きのないタイプだったようです。そんな彼が最近少しずつではありますが、落ち着くようになってきていると校長先生は話されていました。私自身、彼と関わるようになったのは今年度からですが、年度当初から比べてみても、落ち着いてきたと感じていたところです。

 もちろん、小学校にいる子どもたちは、日々目まぐるしく成長・変化をしていく時期を生きており、Hの変化も成長過程の一つだと思います。
 ただ校長先生や私の現場感覚では、Hの変化の要因として、「お母さんの存在」が一つあげられると意見が一致しました。

 Hのお母さんは、お仕事をされている方ですが、少し時間に余裕があれば、朝の「花まるタイム」に来てくださっています。家事、仕事と多忙な中で、それでも我が子が通っている学校の力になろうと、足を運んでくださる姿勢には、本当に頭が上がりません。
 また、朝の「花まるタイム」の前に必ずある「校長先生からの『朝のクイズ』」に、Hのお母さんは、「校長先生、こんなクイズどうですか?」と、問題まで作ってきてくださることもあります。
 ほかにも、定期的に行っている「青空協室」にも顔を出してくださり、子どもたちと一緒に活動に夢中になって楽しんでいる姿を見せています。
 これら学校の活動を積極的に応援してくださるHのお母さんの様子を、校長先生からHへと、直接話をしてくださっているとのことです。「今日もHのお母さんが、学校に来てくれていたよ!おうちでも『校長先生がありがとうと言っていたよ!』と伝えておいてね!」「今日のクイズ、Hのお母さんからのクイズだったんだよ!」など。伝えると、Hも少し嬉しそうにするそうです。自分のお母さんが学校に来てくれていることはもとより、学校の力になっていることは、実は子どもにとって、非常に嬉しいのでしょう。

 以前ある6年生の女の子がこんなことを言っていました。
 「授業参観もいいけど、『花まるタイム』にも来てほしい。」
 6年生の女の子も、心の底では自分の日々の頑張りを見てほしいし、見てもらえるだけで安心して頑張ることができるのでしょう。
お忙しい中、足を運んでいただき、本当にありがとうございます。

ここで、保護者の皆様が学校に来てくださることにより、期待できることについて、お伝えします。
 保護者の皆様が学校に足を運び、学校の活動に関わってくださる回数が少しでも増えることで、子どもたちの学校での頑張りを伝える回数が確実に増えると思っています。回数が増えることは、信頼関係の構築にもつなげることができます。結果、子どもを中心とした、学校と家庭のネットワークが確実に強固になり、信頼関係はより密になるはずです。もちろん今は電話、メールと連絡手段は様々ですが、それでも「面と向かって話す」ことで、安心感を作り出せることは言うまでもないと思います。
 
また、保護者の皆様が学校で聞いてきたことは、家庭でのコミュニケーションの種にもなります。学校での頑張りが、家庭内で子どもたちへとフィードバックされていくと、翌日の学校生活にもつながり、好循環を生みます。

保護者の皆様が、学校に足を運んでくださる回数が増えることによる好影響は、少しずつ芽が出てきています。その芽が少しずつ開き、子どもたちにとって、よりよい教育環境が作り上げられていくことを期待して、活動しております。

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