2017年7月26日水曜日

7月26日 官民一体型学校公開授業@武内小学校

7月26日(水)に武内小学校で官民一体型学校公開授業が行われました。


なぞぺー授業は、担任の先生がメインとなって授業を進めていました。
 子ども達が「やりたい!」「できるかも!」と思うような声かけ、テンポで進む授業。言葉にせずとも先生方から感じる「この問題、面白いんだよ!」という雰囲気が何よりも印象的でした。前に立つ先生が楽しそうだから、子ども達も「やりたい!」と感じるのですね。


 公開授業の後には、東洋大学の斉藤里美教授による講演会「AI時代の学校で学ぶべきこと」がありました。講演会の中で、人工知能がより発達した社会において、人=先生だから学校で子ども達にできることは、「活き活きと学ぶ土台を作ること、一人ひとりの意欲や主体性を引き出すこと」という話がありました。まさに、今日のなぞぺー授業で先生方が実践していたことです。

◯🌑武雄市の教育改革ブログで当日の様子がより詳しく見られます🌑◯
武雄市の教育改革ブログ

2017年7月24日月曜日

第31話「一人で考えるより」(花まる:富永)

今年度から官民一体型学校が始まった武雄市立西川登小学校で、2回目の青空協室が行われました。

青空協室では、教科の枠に捉われずに、集団での課題解決型学習に重点を置いた様々なプログラムを行います。「こうしたらどうだろう?」と試し、上手くいかなければもう一度考えて試すというサイクルを、体を動かしながらゲーム感覚で実践します。「青空」なので屋外での活動に思えますが、天候やプログラム内容に応じて、広い場所であれば体育館でも行えます。活動形式にも特徴があり、異学年混合の縦割り班で実施します。そうすることで、仲の良い友達とだけでなく、色々な人と一緒に力を合わせる経験をするのです。また、毎回異なるプログラムを行うため、子ども達はその場で初めて聞く内容に対して知恵を振り絞って取り組みます。もちろん、学校の先生達には事前にプログラムの目的やルール、当日の流れなどを共有しておきます。


今回行ったプログラムは『ぴったりメイキング』。物差しやメジャーなどを使わずに3mの長さ、50cmの高さを測ります。他の小学校でこのプログラムを行った時、大人がヒントを出さなくても、自分たちの身長や足の大きさを利用して長さや高さを測っていました。高さ編では50cmを測るだけでなく、身の回りにある物を積み上げて50cmのタワーを作らなければいけません。50cmに近づけるため、何をどういう順番で積み上げるかも活動のポイントになります。


このプログラムの説明を先生方にしたとき、「身の回りの物とは、例えばどんな物ですか?」という質問が出ました。活動場所が校庭であれば、石や木の枝など自然物を使えます。けれど、雨天のため体育館での活動になると、使えるものは上履きやタオル、活動のために持ってきたバインダーぐらいに限定されてしまいます。それでも「50cmに近づけるため、どう積み上げるか」という視点で取り組めば意味がある、ということで一度話は終わりました。

さて、いよいよ迎えた当日。生憎の天気のため、活動場所は体育館に変更。すると教頭先生から、「やっぱり体育館だと使える物が少なすぎてつまらないよね。」と声をかけられました。何か良い手立てはないかと話していると「『教室にあるもの何でも使っていい』だったら面白いのに。」と斬新な意見が出ました。とても良いアイディアなのですが、『何でも使っていい』は安全管理が難しくなるため却下されました。

 そこで『体育館から一番近い12年生の教室から3つだけ、各班好きなものを持ってきてもいい』というルールを提案しましたが、今度は教務主任の先生が「教室の物だと担任の先生が困ってしまう。」とおっしゃいました。教頭先生、教務主任の先生、私の3人で話した結果、『班の12年生の私物を3つだけ持ってきてもいい』と、使える物の対象をより限定しようとなりました。

ところが、「取りに戻る時間がもったいないよね。」ともう一度悩み出した教頭先生。数秒考え込んで、「『体育館に移動する時、何か1つ自分の持ち物を全員持ってくる』はどうかな?」と、新しい案を出してくださいました。確かにそれなら、時間を有効活用できます。あえてどんな活動に使うのかを言わずに『持ち物を1つだけ』とすれば、子ども達が持ってくる物は様々で、工夫の仕方も班ごとで幅が出るでしょう。


急遽ルールを変更して実施することになった青空協室。狙い通り、子ども達が持ってきたものは実に多種多様でした。ランドセル、リコーダー、傘、本、したじき、おはじき、赤鉛筆一本…。使える物がばらばらなため、工夫のポイントも様々でした。

傘に「55cm」とシールが貼られているのに気が付き、それを物差し代わりに使う班。



ランドセルのように大きな物がない班は、どうにか高さを出そうと本の置き方を工夫していました。
持ってきた物だけで自立させるのが難しかったのか、壁に立てかけて使う班もありました。(ルール説明の時、「50cmを高さにする」としか言っておらず、「立てかけてはいけない」とは言っていませんでした。)


これだけ班ごとに特徴ある工夫をできたのは、教頭先生が妥協せずに「もっと面白い活動にするため、良い方法はないか」と考え続けてくださったからです。ですが、教頭先生が最後に出した案も、一人で考えたわけではありません。現実的な案かどうかはさておき、複数人で「こうしたらどうだろう?」「こんな事ができたらいいよね。」と言い合った結果です。

学校の先生達の意見を取り入れることで、私達が提供するコンテンツもさらに進化します。「官」の中に「民」が入るだけではない、一緒になって作り上げる。そんな官民一体型学校の形が、今回の青空協室で垣間見られました。

○●青空協室の詳しい様子は西川登公民館HPで見られます!●○
【西川登公民館】第2回 青空協室

2017年7月20日木曜日

地域学校協働本部会議@西川登町

7月18日に西川登小学校地域学校協働本部会議に参加しました。

官民一体型学校スタートの準備のために組織された「西川登小学校支援地域本部」を前身として、学校を核とした地域づくりをしていくための組織に改編をしました。

協働本部が小学校と地域をつなぐコーディネーター役として機能し、
地域全体で子ども達を見守る仕組みを作っていくそうです。

今回の会議では、地域のボランティアの方にお手伝いしていただいている学校行事の確認をしました。

その数、なんと24!

今までも、地域の力を借りて学校行事を行ってきたことが、改めてわかります。

地区ごとで同じような活動を行っているという報告もあり、
学校と地域で連携していくためにも今後、地区での行事とすり合わせていくそうです。

花まるスタッフも協働本部のメンバーに席を置かせていただいていますので、
西川登町の地域づくりに貢献できるよう考えていきます!

2017年7月18日火曜日

花まるタイム支援員会議@橘小学校

7月18日に橘小学校で花まるタイム支援員会議が行われました!

朝の花まるタイム終了後、小学校の本部室に集まっての会議。
支援員の皆さんに事前にお願いしていたアンケートをもとに、花まるタイムについてはもちろん、その他の学校運営についても地域の方と意見交換をしました。


◎朝、花まるタイムに足を運ぶことで「元気をもらっている!」という声は一番多いです!
《アンケート内容より一部抜粋》
・生徒さんが目指す「昨日の自分に勝つ」。私も日々言い聞かせながら努力しています。
・子どもたちの元気な大きな声に、私たちも元気が出ます。
・週一の支援員参加をしていますが、特に負担を感じることはありません。
 むしろ子ども達と接することで、元気をもらっています。

昨年と比べて、子どもたちの変化を感じる支援員の方が多いようです。
《アンケート内容より一部抜粋》
・花まるタイムがスタートしたばかりの昨年の同時期に比べ、生徒さんが活き活きと
 なったように感じます。(特に高学年)
・去年初めて花まるに参加したときは、いまいち元気がないと感じていましたが、
 今年に入ってびっくりするほど元気でパワーをもらいました。

◎今後、どう支援員の輪を広げていくか、というお声も多くいただきました。
学校や公民館でも、育友会や地区の集まりで声をかけていただいているそうです。
より多くの方に足を運んでいただけるよう、花まるスタッフとしてできることを考えていきます。
《アンケート内容より一部抜粋》
・花まるタイムの参加をPRしてほしい。
・支援員の出席が1クラス2~3名平均になればと思います。
 支援員全体を増やすことが必要であり、町は機会があるごとにPRをしていただきたい
 と思います。


最後に稲富校長先生から
「学校と地域をつなげる新しい組織を起ち上げるのではなく、今ある学校・公民館・地域の方がそれぞれ出来ることを持ち寄り、一緒に花まるタイムを作っていくこの方法は、コミュニティスクールの理想形の一つです。」
とお話がありました。

橘小学校での夏休み前の花まるタイムは今日が最後。
9月4日(月)から、また再開します!

2017年7月14日金曜日

官民一体型学校説明会@北方町 木の元公民館

7月13日に北方町 木の元公民館で、
官民一体型学校の説明会を開いていただきました!

50名以上の方にお集まりいただき、
動画を見ながら花まるタイムの説明をしました。













木の元地区では、すでに10名以上の方が
花まる支援員に手を挙げてくださっているそうです。

説明会は公民館長の
「この町ならではの花まるにしましょう」
という言葉で終わりました。

北方町ならではの官民一体型学校になるよう、
花まるスタッフもこれから一緒に動いていきます。

2017年7月4日火曜日

7月8日(土)橘小学校オープンデーに向けて(富永)

 7月8日(土)に行われる橘小学校花まるオープンデーに向けて、本日打ち合わせを行いました。

 青空協室で行うプログラムの意図・ルール確認をした後、先生達にも実際に体験していただきました。
 子どもの気持ちになって楽しむ先生達。
 実際にやってみるからこそ、学びのポイント、子ども達が困るであろうポイントが見えてきます。先生達の意見をいただきながら、子ども達が取り組みやすいようにルールなどを修正しました。花まるスタッフだけ考えるよりも、良い内容になりました!

橘小学校のオープンデーは下記日程で行います。

【日時】2017年7月8日(土)
    8:25~11:15
【会場】武雄市立橘小学校
【スケジュール】
    8:10 受付
    8:25~8:40 花まるタイム
    8:45~9:30 なぞぺー授業(4年教室・6年教室)
    9:45~10:30 青空協室(体育館)
    10:45~11:15 説明会(多目的室)

2017年7月3日月曜日

第30話 「町のプライドは大事にしてほしい」(花まる:前原)

武雄市と花まる学習会が連携して進めている官民一体型学校の取り組みは、2020年度までに全校での実施をスタートさせることが、昨年度の秋に決定された。
 そのうち、北方小学校と山内東小学校、山内西小学校の3校は、2018年度春より取り組みがスタートする。
 
 来春からのスタートを見据え、先日北方町では「官民一体型学校地域協議会」の1回目が開催された。「花まるタイム」について、少し話をしてほしいという要請を受け、私もその会に参加してきた。

 参加して、まず驚いたことは質問の量。
 会の前半でお時間をいただき、「花まるタイム」について映像を交えて話をした。話をした後、質問を受け付けたのだが、思っていた以上の質問が出てきた。
 
「全部正解ではなくても、花丸をつけることには、少々抵抗があるのですが…」
「子どもたちの成長を感じるには毎日行かないとわからないと思う。それについてはどう考えていますか?」

など、ここでは載せきれないほどの質問があったのだが、いずれも町の子どもたちのことを思っての内容。北方町の地域の方々の、子どもたちを思う熱量の高さに驚かされた。

会の後半は、これからどうやって各地域での説明会を進めていくのか、またどうやって「花まるタイム」をサポートしてくださる方々を集めていくかなど、今後の準備についての話に移っていった。そこでも、さらに驚かされることがあった。

27年度から「官民一体型学校」の取り組みをスタートさせている武内や東川登など、市内では6つの地域がこの取り組みを進めている。北方としては、先行している地域の方々が準備されてきたことを参考にできる。事務局である公民館の方も、ほかの地域の例を挙げながら準備スケジュール案を示されていた。
それに対し、とある役員さんが、

「準備について、色々と考えてくださっていることはうれしいのだが、一つだけ言わせてほしい。私たちはコピー機ではないから、ほかの地域と同じにする必要はないと思う。北方は北方のオリジナルでよかろうもん!」
という発言された。

この方の発言を聞き、個人的には心が震えるくらい、「おぉ~」と感心した。
他の町で進められてきた準備のやり方をそのまま踏襲すること。何かをやり始める人にとっては、前例があるとすごく心持ちが楽になる。前例に従って進めていくと、それはそれで楽なのだが、町それぞれで特性が異なるから、前例の中でも、どうしてもマッチしない部分はある。
おそらく無理に合わせようとして、「他の町でやっているから、こうやるものだ」というだけで進めてしまうと、どこかに無理が出てしまうし、何よりやらされ感が生まれてしまう。大事なことは、前例を参考にされたうえで、そこで起こっている問題を分析して、そのうえで「じゃあ、うちの町ではこうやってみてはどうか」と、試行してみる。正解はないのだから、やりながら変えていけばいい。その中でオリジナルは生まれていくものだと思う。

北方町のことを補足すると、この町は官民一体型学校が武雄で始まる前から、「地域子ども教室」を夏休みに実施している。そこでは、子どもたちが各区の公民館に集まって、集中して夏休みの宿題に打ち込める環境を作っているのだ。
これは北方町独自の取り組み。ほかの町がやっているからやろう、ではなく、町の子どものためになるなら…と、町で考えて子どもたち、家庭を支えようとしてくださっている。

北方は、これまでも地域が子どもたち、家庭を支えようと動いている。
そこに新しい取り組みとして「官民一体型学校」が入ってくるのではなく、地域と子ども、家庭と地域のつながりの幅を今以上に広げるための取り組みとして、「官民一体型学校」が始まる。


町のプライド、思いを大事にしていきたい。その思いが土台となって動いていくことで、町オリジナルの取り組みとして形になっていく。